私たちは、『竹の都』の明和町から、時代に合わせた「竹」の新しい利用方法の提案を主眼に、地域住民の皆さまと共に考え、共に活動し、放置竹林を資源とする事業展開により、農業・林業の再生を目指してまいります。
「筍」「籠」「箸」「筆」「笛」。これらの文字からも連想されるように、竹は古来より私たち日本人の食生活や文化・伝統に深く関わってきました。身近な生活用品や工芸品だけでなく、建築資材や家具材料等にも利用され、自然からの恵みである竹を使って文化を育み、生活を豊かにしてきた、竹とともに生きてきた民族であるとも言えるでしょう。
しかし近代の高度経済化とともに、手軽で安価なプラスチック製品が台頭し、竹製品の需要減少や外国産竹材の輸入量増加、更には生産者の高齢化、担い手の減少等により、全国各地の竹林は、その多くが放置されるようになってきました。
竹の根は周囲へ急速に侵食する為、そこに生育する樹木の健全な成長を阻害してしまいます。また稈・枝葉の生育も非常に旺盛なため竹林の内部は日陰で暗くなり、シカ・イノシシ等の獣の居住域となり農耕地の獣害被害の温床ともなっています。「自然の恵」として受け入れられていた「竹」が今や「竹害」として疎まれている現実はとても悲しいものです。放置竹林の拡大の防止、伐採した竹を資源として有効活用することは、農・林業の発展、並びにSDGsをも含めた私たちの生活環境保全の上でも急務と考えます。